▼脱毛情報:購入者の方の満足度の高い製品ブログ:22年10月07日
一週間前、全く連絡のなかった父から
突然、電話がかかってきた。
電話の向こうから
酔いに任せ怒鳴る父の声が響いた。
「母をどこにやった!」
…頭がクラクラする。
立っているのが精一杯で、
わしは受話器を握る手に必死の力を込めた。
「知らないものは、知らないとしか言えません。…失礼します」と、
わしは事務的に振舞ったが、受話器を持つ手はガタガタと震えていた。
電話を終えた直後、わしは激しい嘔吐に襲われた。
溢れ出る涙と、遠い記憶の中でそのままうずくまり、
しばらく立ちあがることができなかった。
家族という枠の中で、
幼いわしは息をひそめているのが精一杯だった。
死に怯え、生きていることが怖く、
眠れない24時を幾度となく過ごした。
父と母は20年前に正式に離婚している。
それでも父は家に出入りしては
ビールを飲んで暴れていた。
10年前からは、母は心を病んでしまった。
何も手につかないパニック障害とうつ病と診断された。
入退院を繰り返しながら、
現在は病院に隣接する施設にお世話になっている。
長年にわたり溜め込んだストレスに、心も肉体もに疲れている。
母を父と会わせる訳にはいかないのだ。
「お前を産むつもりはなかった。
父に強引にされてできた子どもだ。おろすわけにいかず産んだだけ」
売り言葉に買い言葉で言ったのかもしれないが、
母が発した一言が今でも忘れられない。
「お前は父にそっくりだ」と母に言われる度に、
肉体の中に流れる血を全部捨てたい衝動にかられた。
…それでも、
わしは、父の陽に焼けた顔とごつごつした手が誇りで、
母の歌ってくれる歌が安らぎだった。
そんな日が確かにあって、
今もどこかで父と母を心から憎むことができないでいる。